突然の結婚、そして愛が始まる～

第47章 針鋒相対

山崎景年はまったく退くことなく、淡々と返答した。

「ここはVIP病室です。患者の許可なく、誰も入ることはできません」

「患者？彼女の許可？そんなルールがあるなんて知らなかったな」

水原拓真は冷ややかな目で彼を見つめた。

「黒川綾は俺の妻だ。今すぐ退院させる」

二人は一歩も引かず、鋭く対立していた。

黒川綾の胸は締め付けられるように痛んだ。今になっても彼は私を解放してくれないの？

山崎景年は水原拓真がここまで悪質だとは思わなかった。

心に抑え込んでいた不満が完全に爆発した。水原グループの社長だろうが、それがどうした？

「もういい加減にしろ。名ばかりの夫分際で」

彼は「名ばか...