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第44章 写真の刺激

加藤枝子は黒いレースのネグリジェに着替え、牛乳を一杯手に書斎へ入った。

「拓真、こんな遅い時間だけど、牛乳でもどう?」彼女は優しく囁くように近づき、さりげなく自分の温かい体を水原拓真の体に擦り寄せた。

「そこに置いておけ」

水原拓真は淡々と頷いた。頭上の明かりに照らされ、彫りの深い顔立ちに、わずかに眉をひそめていた。

不思議なことに、加藤枝子がこれほど念入りに着飾り、香水の香りを漂わせているのに、彼は少しも興味を示さなかった。

むしろ脳裏にはあの女のことが浮かんでいた。

彼女は普段すっぴんで、香水なども使っていないようだったが、彼女の体の匂いは、いつも彼の理性を奪っていった。

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