Chapter




Chapters
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
第8章
第9章
第10章
第11章
第12章
第13章
第14章
第15章
第16章
第17章
第18章
第19章
第20章
第21章
第22章
第23章
第24章
第25章
第26章
第27章
第28章
第29章
第30章
第31章
第32章
第33章
第34章
第35章
第36章
第37章
第38章
第39章
第40章
第41章
第42章
第43章
第44章
第45章
第46章
第47章
第48章
第49章
第50章
第51章
第52章
第53章
第54章
第55章
第56章
第57章
第58章
第59章
第60章

Zoom out

Zoom in

Read with Bonus
Read with Bonus

第38章
内藤健太は薬を買いに行った。
坂井晴美はベッドに横たわる男を見つめながら、目の奥に一筋の嫌悪感が閃いた。
彼女は手を上げて藤原恭介の腕を軽く叩き、不満げな口調で小声で呟いた。
「高校時代から自分の面倒も見られないで、今じゃもう二十代なのにまだこんな調子。ほんと、心配かけるんだから!」
しかし藤原恭介の真っ青な顔を見ると、坂井晴美はため息をつき、目には心配の色が広がっていた。
坂井晴美は病床の傍らに寄りかかり、腕を組んで藤原恭介の顔をじっと見つめていた。
もう二度とこうして藤原恭介に付き添う機会はないだろう。
そう思うと、坂井晴美は思わず苦笑してしまった。
「...