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第33章

宴会は金鼎上の三階で行われていた。

木村川がドアを開けると、酒の香りと花の香りが一気に漂ってきた。

佐倉寧々は一目でカシアの高級香水だと分かった。彼らは何と、この何百万もする香水をこんなにも惜しげもなく、ルームフレグランスとして使っているのだ。

なんて贅沢の極みだろう。

個室は広く、ワインを味わう人、ポーカーに興じる人、踊る人など、皆が美男美女ぞろいで、見渡せば目がくらむほどだった。

テーブルの脇には、一角が切り取られた十数段のケーキも置かれていた。

「川お兄さん、やっと来たのね。もう会いたくて死にそうだったわ……」

高橋雅子が駆け寄って木村川に抱きつこうとした。彼女の声は軽や...