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第23章

この言葉が出るや否や、その場にいた全員の表情が一変した。

アシスタントは佐倉桜の袖を引き、小声で言った。

「部長、今回の提携は藤原家にとって重要なんです。お姉さまに電話してみては?」

木村川は彼女たちに相談する隙も与えず、そのまま背を向けて立ち去った。

佐倉桜は手足が冷たくなるのを感じた。

木村川の言葉は一言一句、彼女の顔に痛打を与えていた。

二人のアシスタントは彼女が電話をかけるために出て行くのを見ながら、小声で話し合った。

「結局、木村社長を口説いたのは佐倉寧々部長だったのね。あの人があんなに積極的だったから、てっきり彼女自身かと思ってた」

「本人が自分の立場をわかってな...