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第41章

「白田さんって、脈を診ることもできるんですか?」文子は驚いて尋ねた。

白田さんは西洋医学の権威ではなかったか?国を代表する名医と称され、心臓科の専門家なのに、いつから漢方医学の脈診を学んだのだろう?

「ははは、これは......長い間研究していたんですよ」白田さんは乾いた笑いを漏らした。

ただ、まだその真髄には至っていないだけだ。

文子は心の中で称賛を続けた。さすが西国の医師、名声は高くとも、こんなにも謙虚に振る舞うなんて。

西国の医学界にこのような存在がいることは、西国の宝だ。

白田さんは見栄を張って文子の脈を診ながら、時折眉をひそめた。それに文子は怯え、大きな息も出来ないほど...