完璧王子の溺愛から逃げられない私

第18章

「早く言え」その声には焦りを含んだ威嚇さえ感じられた。

白田は夜十神謙介を見て首を振った。この子は、教養がないせいで損をしているな。

しかし彼は言うつもりはなかった。結局、彼自身もよく分からないのだから。

彼は手を振って、「分からないよ。夜十神様に直接聞いてみたら？」

夜十神謙介は自分が頭がおかしくなったのかと思った。主人のことを他人が推測できるはずがない。名前なんてつければいいだけだ。響きがよければそれでいい。

急につまらなくなり、夜十神謙介は部屋に戻って寝ることにした。明朝起きたらまた仕事だ。

……

夜十神の邸宅、主寝室。

夜十神望は美咲の首に薬を塗っていた。実際には首の...