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第15章 西原隼也の怒り

「俺のことを探しているらしいな、西原家の残党として?」

西原隼也の掠れた低い声が、一片の感情も宿さぬ氷のように冷たく響いた。

一歩一歩と競売台へと歩み寄る。

黒田の全身から戦意が滔々と湧き上がっていた。

こうも堂々と龍将龍鱗を動かすとは、まさに死を求めているようなものだ。

今日は血の海となるだろう。萩原家にとっては死すら贅沢な望みとなるに違いない!

萩原力也の額には冷や汗が浮かび、相手が一歩一歩近づくにつれ、海のように広大な恐ろしい力が自分に迫ってくるのを感じた。

彼はまったく身動きができなかった。

西原隼也は一歩一歩と笠原千佳の前まで歩み寄った。

笠原千佳はすでに意識が朦...