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第12章 笠原千佳が陥れられる

笠原千佳はこれから晩礼服を選び始めた。

西原隼也は一瞬で目が釘付けになった。

笠原千佳はその露骨な視線に頬を赤らめ、不機嫌そうに西原隼也を一瞥した。

「何見てるのよ?見たことないわけじゃないでしょ?」

「わからないな、こうやって見るほうがもっと綺麗だよ」

西原隼也は平然と言い放った。

「あなたって...」

笠原千佳は西原隼也のその厚かましい言葉に思わず笑ってしまい、この男にはどうしようもないと思った。

「奥さん、これから何するの?」

笠原千佳は笑いながら答えた。

「重要なパーティーに参加するの。萩原家が主催するやつ。萩原家は没落したとはいえ、まだ力はあるわ。それに西境から...