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第50章

夜に入り、江口慎吾は積み重なった仕事を片付けたところで、渡辺雄二から電話がかかってきた。

「慎吾、久しぶりに集まろうよ。一杯どう?」

「ああ」

江口慎吾は書斎を出て、服を着替えて階下に降りると、玄関から入ってきた宮下遥が靴を脱いでいるところだった。

目が合い、二人とも思わず固まった。

「どうしてきたんだ?」 「慎吾、出かけるの?」

「ああ」

宮下遥は気まずそうに唇を噛んだ。

「じゃあ...私、タイミング悪かった?」

江口慎吾は黙っていた。

「わ、私、授業が終わってから来たの。サボったわけじゃなくて...昨夜あなたが激しくしすぎて、私...下が少し炎症...