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第36章

「やっと考え直したのか?」竹内修平はソファから飛び上がった。

「もう坊主のふりはやめるのか?」

彼の冗談に対し、江口慎吾は無表情のまま、まばたきひとつせずにいた。

「ただの場の演出さ。前にもやったことだろう」

竹内修平は手を叩いて、親友が正気に戻ったことに安堵した。「よし、すぐに手配する。きれいに済ませて、面倒は掛けないから」

電話を切ってから、五分もしないうちに竹内修平は住所を送ってきた。

【万行亭1080】

【この子、俺が長い間目をつけてた処女だぜ。お前にやるよ】

江口慎吾は口元を歪めて、上着を手に取り出かけた。

夜は深く、春宵一刻。

翌朝、竹内...