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第52章 北斗七星

電話のベルが鳴り、神田凛は携帯を手に取り、応答ボタンを押した。

長月研究所の研究員である天枢が電話の向こうで叫んでいた。

「ボス、誰かが研究室に最新の実験機材を届けてきたんですが、ロゴを見たら藤原家じゃないですか!しかも婚約者へのプレゼントだって言うんです。うちの研究室に女なんていませんよ!男と家畜しかいないじゃないですか!これ受け取っていいんでしょうか?もし爆弾が仕掛けられていたらどうするんです?」

「爆発して吹き飛ばされたら、実験価値はあるんでしょうか?私の肉から輝かしい知恵が二キロほど抽出できるんでしょうか?」

「実験機材は私宛だ」

「え?冗談でしょう?確かにボスは女性で...