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第44章 我が心の月に贈る

藤原悠人の視線は、ずっと壇上の凛に注がれていた。

千も万もの可能性を考えたが、彼女が神田家のお嬢様だとは夢にも思わなかった!

この礼服を纏った彼女は、本当に美しい!

薄い絹のドレスが、神田凛の細い腰を完璧に引き立てている。

丁寧に仕立てられた礼服の一つひとつのスカートのラインや襞が精巧にデザインされ、動くたびに波や雲が広がるよう。長く優雅な白鳥のような首には淡いピンク色のダイヤモンドのネックレスが輝き、霞のような髪が後ろに流れ、まるでおとぎ話に出てくる妖精のようだった……

神田東は神田凛を連れて挨拶して回り、ついでに多くの誕生日プレゼントを受け取っていた。

藤原悠人は足を踏み出し...