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第37章 自分で作った小さなケーキ

黒田陽菜はまだ少し名残惜しそうだった。

神田おばあさんのあの手段を考えるだけで、身震いした。

「大丈夫よ、お母さん。おじいちゃんも橋本病院にいるから、ついでに会ってくるわ」

「あら、凛ちゃん頑張ってね。お母さんは行かないわ!明日ケーキ作ってあげるからね!」

「……」

別に黒田陽菜が一緒について来ることは期待していなかった。

川島凛が食べたあの正体不明の塊は、なんと黒田陽菜が自ら作ったミニケーキだったのだ!

神田雨宮の表情は酸っぱさで歪んでいた。

川島凛が明日病院で神田おばあさんの前で良い思いをしないだろうと思うと、神田雨宮はようやく少し気が晴れた!

このままでは、川島凛がき...