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第54章

坂田和也の部屋は9階にあった。

ところが、エレベーターが7階に到着しようとした瞬間、坂田和也は突然手を伸ばして7階の行き先指示をキャンセルした。

「何してるの?」

小林絵里はそれを見て、すぐに眉をひそめて尋ねた。

坂田和也は「もうこっちの人たちは私たちが夫婦だって知ってるんだ。別々に寝るのは不自然だろう」と言った。

小林絵里は「あなたのプライベートなんて誰も気にしないと思うけど?」

坂田和也は「念のためだ」

小林絵里がこの時7階のボタンを押そうとしたが、もう遅かった。エレベーターはすでに9階に停止していたのだ。彼女の表情は良くなかった。

坂田和也が先に出て行ってかなり離れてか...