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第49章

「薬を持ってこい、俺の調子がおかしい」

言い終わるや否や、電話は切れた。

小林絵里は困惑した表情で切れた電話を見つめ、眉を寄せた。

彼が番号を間違えたの？

私の声が聞こえなかったの？

小林絵里は唇を引き結び、松本光の電話番号を押した。

「もしもし、小林さん」

電話はすぐに繋がり、向こうからはやや騒がしい声が聞こえた。

小林絵里は言った「さっき坂田社長から電話がありましたが、番号を間違えたようです。薬を持ってくるよう言っていました。今すぐ行ってもらえますか」

「それは難しいですね」松本光はすぐに答えた「出張中で、今空港にいるんです。小林さん、代わりに届けてもらえませんか？薬の...