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第45章

「ふん、意外だな」

小林絵里は軽く鼻を鳴らし、部長の顔に視線を落とした。

周囲の人々は一斉に部長へ目を向け、信じられないという表情を浮かべていた。

「なぜ部長なの?」

「どうしてこんなことを?」

「このプロジェクトは私たちにとってどれほど大切だったか、なぜ機密を漏らした?」

「……」

最初は信じられないという反応から、すぐに抑えきれない怒りへと変わった。退出しようとしていた部長を皆が取り囲み、説明を求める声が飛び交った。

部長はこれほど簡単に事態が露呈するとは思っていなかった。今の彼は、何も言葉が出てこない!

そりゃそうだ、証拠がすべてそこにあるのだから、何が言えるというの...