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第41章

ウェイターは小林絵里が招待状を出さないのを見て、彼女を引っ張っていこうとした。そのとき、一人の男が近づいてきて、小林絵里を自分の背後に引き寄せた。

「若様」

ウェイターは来た人物を見るなり、すぐに恭しい態度を取った。

高川寒は冷ややかに彼らを見つめた。「君たち、私の同伴者に何をするつもりだ、ん?」

その言葉に、ウェイターは青ざめた。「申し訳ございません、若様。この方が若様の同伴者とは存じませんでした」

高川寒の声色が一気に冷たくなった。「消えろ。このクルーズ船で二度と顔を見せるな!」

二人のウェイターは慌てて立ち去った。心の中では思わず悪態をついていた。一体誰が、招待状なしで潜り...