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第39章

坂田和也はそう言い終わると、彼女に視線を向けることなく、部屋を出て行った。

小林絵里はようやく壁に寄りかかり、大きく息を吐いた。

その後、バスルームに入って身支度を整え、階下のダイニングルームへと向かった。

食卓には使用人の他に坂田和也一人だけがいた。

朝食は豊かで、何でも揃っていた。

小林絵里はお腹を撫でた。彼女はとっくにお腹が空いていた。

だからといって遠慮することもなく、真っ直ぐに席に着いた。

どうせ、もうすぐ離婚するのだから、この先、ここで食事をする機会はもうないだろう。

坂田家の人々に好かれようと気を遣う必要もない。

彼女はすでに気づいていた。名門と普通の人の間に...