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第17章

小林絵里は悲しげに笑った。「坂田和也、本当に薄情ね」

「もう疑ってるの。あの頃の和也は、本当にあなただったの?」

坂田和也は目を逸らし、彼女の表情を見ようとしなかった。

身を翻して歩き出した。「車はこっちだ」

だが一歩踏み出した途端、小林絵里の痛みの声が耳に飛び込んできた。

「いたっ——」

坂田和也は思わず振り返り、小林絵里が身をかがめ、片手で足首を握り、眉をひそめて苦しそうな様子を見た。

彼の胸が締め付けられ、大きな足取りで近づいた。

「どうした?足をくじいたのか?」

小林絵里は小さく「うん」と頷いた。

坂田和也は舌打ちした。「面倒だな」

そう言いながら、腰を曲げ、そ...