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第15章

一食の食事で小林絵里は味も分からなかった。

坂田おばあさんは年を取っていて、もともと体力が足りず、食べたら眠くなってしまう。小林絵里に少し話しかけた後、使用人に付き添われて部屋に戻り、休むことにした。

そうなると、テーブルでは小林絵里がちゃんと食べられているかどうかを気にする人はさらにいなくなった。

やっとの思いで食事を終えた。

しかし高橋雲は夏目夕子をソファに誘い、楽しそうに会話を続けている。

坂田和也と坂田正義の親子も、ビジネスの話で盛り上がっていた。

これがますます小林絵里を窒息させた。

たぶん、坂田和也は本当に彼女の和也ではないのかもしれない。

少なくとも、彼女の和也...