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第12章

坂田和也の返事は彼女を失望させるに決まっていた。

「必要ないよ、もうすぐ離婚するから」

高橋雲は眉をひそめた。「え?彼女のことが好きだったんじゃなかったのか?」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、二人の会話をすべて聞いていた坂田お婆さんは、たちまち激怒した。

いつも笑顔を浮かべていた彼女の顔が、一瞬にして怒りで膨れ上がった。

「このバカ者!こっちへ来い!」

小林絵里は彼女が気を悪くして倒れでもしたらと心配し、すぐに背中をさすって落ち着かせようとした。

坂田和也と高橋雲も部屋に入ってきた。

「お婆さん」

「お母さん」

「このバカ孫!わたしの可愛い孫嫁が気に入らないの?...