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第50章 桜が倒される

林田羽が去った後、空は鈴木美咲の側に歩み寄り、目をぱちくりさせながら彼女を見つめた。

「ママ、さっきのおじさん、ママのこと好きなんでしょ?さっきずっとママのことじーっと見てたよ」

桜は空の言葉を聞いて、驚いて口を手で覆い、目を大きく見開いた。

鈴木美咲は、空が林田羽の気持ちまで見抜いていたことに驚いたが、からかうようなその言葉にも思わず苦笑した。

まあ、確かに林田羽の態度はそれほど明らかだったのかもしれない。

鈴木美咲は苦笑いしながら、手を伸ばして空の頬をつまみ、言った。

「本当に抜け目ないわね」

空は両手で自分の頬を包み、目を細めて笑いながら、鈴木美咲に向かって眉をひょいと上...