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第24章 空が高熱を出した

執事が「翔太」が泣いているのを見て、書斎へ行き藤原隆に状況を伝えようとした。

しかし、二歩ほど歩いただけで、「翔太」が階段を駆け上がる音が聞こえた。

部屋の中。

空は枕を抱きしめ、ベッドの隅に縮こまり、全身を震わせて泣いていた。

彼はお父さんが嫌いだった。

もうこのお父さんなんていらない!仲直りなんてしたくない!

ママと一緒に遠くへ逃げたい!

空は考えれば考えるほど悲しくなった。

鈴木美咲のそばにいる時は、こんなつらい思いをしたことなど一度もなかった。

鈴木美咲は決してこんな大声で彼に話しかけることもなく、叱るなんてもってのほかだった。

空は心の中で藤原隆を嫌っていた。泣...