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第31章 カトリンがまた来た

その頃、コルレオーネ投資銀行の最上階、リオンのオフィスにて。

リオンは椅子に座り、向かいのリアナを見つめながら微笑んだ。

「どうしたんだ、リアナ。何か用事かな?」

「会長、ヘルマン家のカトリンさんがまた来られています。投資の協力について再度話し合いたいそうです。前回提示した契約内容に同意できないと言って、投資額を増やすか、利益配分の割合を下げるか、どちらかを希望されています……」

リアナは今、どう対応すべきか迷っていた。カトリンが会長の奥様であることは重々承知している。

カトリンの要求が少々無理だとしても、リオンの考えがわからない以上、リアナとしては断ることもできない。...