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第79章

夕食は、それぞれの部屋で取ることになった。岡崎愛乃は食べ終わると、先に自分の部屋へ戻った。夜に七沢聡と一緒に海を見に行くことを望んでいなかった。だが、直接断るのは気が引けて、どんな言い訳をしようかと考えていた。

考え込んでいるところに、使用人がドアをノックして言った。「奥様、聡様が今夜は海へお連れできなくなったそうです。四郎様と本館におられるとのこと。早めにお休みになって、お待ちにならないようにとのことでした」

岡崎愛乃はそれを聞いて、大きく息を吐き出し、頷いた。「分かりました」

窓の外を見ると、黄金色の夕焼けが広がり、まだ完全に暗くなってはいなかった。使用人を呼び止めて尋ねた。「海辺...