取引された花嫁

第77章

七沢聡は岡崎愛乃を連れて庭園内をぶらぶらと散策し、彼女を驚かせていた。珍しい花や草木はもちろんのこと、なんとここには小さな鹿園まであり、数頭の鹿が放し飼いにされていた。人が近づくと、大きな目を見開いて好奇心いっぱいに見つめてくる。

「可愛い！」岡崎愛乃は嬉しそうに近づき、手を伸ばして挨拶した。「こんにちは」

七沢聡も後に続き、鹿の頭を撫でながら言った。「触ってごらん。この子はダイアナっていうんだ」

「女の子なんだね」岡崎愛乃はすっかり気に入った様子で、恐る恐る手を伸ばして頭を撫でてみた。

鹿はとても従順で、逃げも避けもせず、彼女に触らせていた。

「ダイアナ、どうしてそんなに大人しい...