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第61章

夜半の時刻、七沢聡が帰宅した。階段を上ろうとした時、何気なく横目で見ると、キッチンに明かりがついているのに気づいた。こんな遅くに誰が起きているのかと気になり、キッチンへ向かった。

岡崎幸太がテーブルに腕を乗せてスマホをいじっていた。場所を変えたものの、眠れなかったのだ。初めてこんな豪華な大邸宅に泊まり、じっくり見学したいと思い、上の階から下の階まで一巡りした後、最後にキッチンに腰を下ろしていた。

七沢聡が入ってきても気づかず、ドア口に立って暫く見ていると、岡崎愛乃に七、八分通り似た横顔から、誰なのか察しがついた。

「こんな遅くに、まだ寝ないのか?」突然声をかけた。

岡崎幸太はびっくり...