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第56章

恵子さんは老眼鏡を外して座り直し、好奇心を持って尋ねた。「遊園地に行くって言ってたのに?どうしてこんなに早く帰ってきたの?」

岡崎愛乃は心虚そうに答えた。「人が多くて、中には風邪引いてる子もいて。ルーカスに移りそうで、それで遊ぶのやめたんです」

「それなら家に帰った方がいいでしょう。ここに来て、病院の方がもっとウイルスだらけだってわからないの?」恵子さんは不満げに言った。

「彼、家に帰りたくないんです。家だとまた勉強しなきゃいけないから、ここに来たがって。私も家に帰っても面白くないし、だからちょっとお見舞いに」

恵子さんは微笑んだ。「いいわよ、二人が来てくれて嬉しいわ」

岡崎愛乃は...