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第35章

明石アキラは七沢聡の感情を察し、岡崎愛乃に目配せした。「誤解しているよ。七沢社長の言っていることはそういう意味じゃないんだ」

七沢聡は岡崎愛乃の方を向き、一言一言はっきりと言った。「会社の行事だ。社員として、特別な事情がない限り、必ず参加しろ」

岡崎愛乃は言葉を失った。舞踏会に参加しなければならないのに、パートナーを探すこともできず、彼がパートナーになることもありえない。つまり、自分一人で恥をかけということか?パートナーがいなければいないで構わない、と岡崎愛乃は無関心に考えた。どうせ踊りたくもなかったのだ。

すぐに幼稚園に到着し、明石アキラは車を路肩に停めた。岡崎愛乃と七沢聡は車を降り...