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第182章

月曜日、柳原詩音は早めに会社に到着したが、総務部には向かわず、直接後方支援部へと足を運んだ。

更衣室の狭いスペースで、柳原詩音と金田理恵は小声で話し合っていた。

「どうだった?別荘での成果は?」金田理恵は上着を脱ぎながら清掃スタッフの制服に手を伸ばして尋ねた。

柳原詩音は鼻で笑い「言わないで。転んだだけで、お腹は何ともなかったわ」

「運がいいじゃない」金田理恵は髪を結い上げながら「これからどうするつもり?」

「聡に警告されたの。岡崎愛乃に近づくなって」彼女は顔を上げて「だから、しばらくはあなたが動いた方が都合がいいわ」

「私が動くのはいいけど、タダじゃないわよ」金田理恵は彼女を見...