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第175章

下村理央は携帯を七沢聡に見せた。「バーにいるみたい。話を聞くと酔っぱらっているらしいわ。急にどうしたのかしら?」

「俺が見に行ってくる」

「一緒に行くわ」下村理央は立ち上がりながら言った。

隣に座っていた後藤近司が突然彼女を引き留め、酔った声で尋ねた。「どこ行くんだよ?まだ話し終わってないだろ!」

下村理央は彼を一瞥して言い放った。「いい加減にしなさいよ!」

「君は行かなくていい。ここで近司の面倒を見ていてくれ」七沢聡はそう言い残し、テーブルを離れた。

バーの中で、柳原詩音はボトルを抱えて酒棚の前に立ち、指先でゆっくりと一本一本のボトルを撫でながら、小さな声で呟いていた。「これは...