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第17章

「七沢社長、お忙しいですか?ちょっとご相談したいことがあるんですが」

岡崎愛乃は七沢聡を見つめ、誠意を込めて言った。

七沢聡は手元の書類に目を落としたまま、顔を上げなかった。

「何か用があるなら早く言え。もごもごするな」

岡崎愛乃は手にしていたA4用紙を机の上に置き、彼の方へ押し出した。

七沢聡は顔を上げずに「これは何だ?」と尋ねた。

岡崎愛乃は答えた。「借用書です」

七沢聡が理解していないかもしれないと思い、岡崎愛乃はすぐに付け加えた。「つまり、私の大叔母が求めた66万円の結納金のことです」

「毎月分割でお返しします。利息も銀行と同じです。受け入れられるようでしたら、サイン...