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第46章 指輪が奪われた

高橋おばあさんは四階に着いた後、また下りのエレベーターに乗り込んだ。家政婦と安藤花子は慌てふためいた。

「高橋おばあさん、どこへ行くの?」

「おばあさん、ゆっくり歩いてください」

二人はまた追いかけて下りて行った。高橋おばあさんは三階で一回りしたが、あの二人の子供を見つけることができなかった。

彼女はそこに立ち、少し落胆の表情を浮かべていた。やがて家政婦と安藤花子が追いついてきた。

「おばあさん、ゆっくり歩いてください。転んだら大変ですよ」

家政婦は急いで彼女を支えた。高橋おばあさんがまた遠くへ行ってしまうのを恐れてのことだった。

高橋おばあさんはため息をついた。ひ孫が恋しくて...