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第40章 演技

高橋おばあさんは一目で孫が病気を装っていることを見抜き、手助けしてあげることにした。

「裕也、どこか具合が悪いの?」

高橋裕也のような賢い人間が、おばあさんが自分を手伝っていることに気づかないはずがない。

それに、おばあさんが安藤美咲のことをとても気に入っているのは明らかだった。これは良い兆候だ。

高橋裕也はすぐさま演技力を発揮し、胸に手を当てた。

「胸が痛いんだ」

高橋おばあさんはこっそり微笑み、今度の孫は本気だと悟った。やはり美咲のような優しい娘にしか、彼の心は動かされないのだ。

彼女は急いで安藤美咲の手を取り、孫を支えさせた。

「美咲、彼をベッドに寝かせてあげて。おばあ...