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第38章 三無製品

安藤美咲は警戒心を抱いた目で彼を見つめていた。また強引にキスされるのではないかと恐れ、彼の真っ赤な唇から目を離さず、いつでも彼を刺す準備をしていた。

高橋裕也は彼女が自分の唇に見とれているのを見て、彼女も自分と同じように中毒になっているのではないかと思った。

そして意地悪く微笑むと、身を屈めてキスをした。彼女に初めて会った時からこうしたいと思っていたが、ようやく願いが叶ったのだ。

安藤美咲は最初呆然としたが、唇の上に熱を感じると、ぱちぱちと瞬きをした。

彼、また強引にキスしてきた。この意地悪。

彼女は手に持っていたものを放し、指輪の仕掛けを押した。細い針が現れ、彼女は彼の首に向かっ...