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第29章 喧嘩

安藤美咲は目を輝かせ、これはまさに理想的だと思った。

昨夜、彼女がこれを持っていたら、高橋裕也の首に一突きして動けなくしていたら、あんな目に遭わずに済んだのに。

「これがほしいわ。でも、効き目はどのくらい続くの?」

まさか一回きりというわけじゃないでしょうね?それじゃ困る。値段もそれなりに高いし。

店員は説明した。「予備の麻酔薬もセットになっています。指輪の中の麻酔薬がなくなったら、ご自分で補充できますよ。三百回ほど繰り返し使えます」

安藤美咲は二つ購入した。一つ4万円以上で少し痛い出費だったが、彼女たちのような独身女性にとっては命を守る術だった。

もう一つの箱を白石蘭の手に渡し...