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第53章 おじいさんの贈り物

おじいさんのアシスタント石金秀徳も駆けつけてきた。

「今回は千恵のおかげだよ」小崎おじいさんはベッドに寄りかかり、にこやかに石金秀徳が持ってきた宝箱を佐々木海子に差し出した。「この贈り物は、本当なら昨日あげるはずだったんだが、この物忘れの激しい頭じゃすっかり忘れてしまってね。まあ、今日あげても問題ないだろう」

佐々木海子は思わず戸惑い、恐縮しながら受け取った。「叔父さんったら、まだ体調も戻ってないのに、私のことを気にかけて、プレゼントまで」

おじいさんはようやく起き上がれるようになったばかりで、顔色もまだすぐれない。

「大丈夫、大丈夫、さあ、開けてごらん……」おじいさんは息を切らしな...