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第41章 事件が起きた

佐々木海子の世界は真っ暗だった。

恐怖、寒さ、そして際限のない緊張感。

一体誰が、なぜいつも彼女が傷つけられるのか。

そんな疑問と共に、佐々木海子は震えながら悪夢の中へと落ちていった。

その頃、病院では。

小崎颂が包帯を取り替えていた。

だが何故か、今日は異常なほど苛立ちを覚え、心の奥底に不安が渦巻いていた。何かが起きたような気がして仕方がなかった。

「小崎社長、このまま傷口の裂開を繰り返されては、深刻な後遺症を引き起こす恐れがあります。将来にも影響が出かねません」

医師の言葉が耳元で響く。

小崎颂は面倒くさそうに彼を一瞥しただけで、何も答えなかった。

そこへ住友直孝が突...