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第39章 最後の寛容

「個室の扉が開いた瞬間、空気は一瞬で凍りついた。

佐々木海子は一目で、その隅に座っている人物を見つけた。

そしてその傍らにいる、繊細で美しいシルエットも。

「あれ、これはどういうこと?」藤原辰は呆然とした表情で、信じられないという顔で彼らを見つめた。

すぐに振り返り、申し訳なさそうに佐々木海子に言った。「私も何が起きてるのか分からないんだ。さっきまで確かに…」

「藤原さん、あなたは彼女に何か説明する必要があるの?私たちが何をするかしないか、彼女の許可が必要なの?彼女は一体何様?」なんと田村菫だった。

今この瞬間、彼女は小崎颂に艶やかに寄り添い、両手で彼の首に絡みつき、今にも彼の頬...