光を失う前に愛は消えゆく

第32章 この女は命知らずだ

翌朝、田村菫は早くにやって来た。「早く出て行け、ここで邪魔するな」

佐々木海子は病室に留まらず、隣の小崎おじいさんが用意してくれた空き病室で休むことにした。彼女は一晩中眠れず、確かにエネルギーを補充する必要があった。

昼食の時間が近づくと、看護師が彼女を呼びに来て、こっそりと話した。「さっき小崎さんの薬を交換しに病室に行ったとき、田村さんが小崎さんの写真をたくさん撮って、何か隠しておくって言ってました」

佐々木海子は眉をひそめた。

話しながら、二人はちょうど病室の入り口に近づいた。佐々木海子は無意識に中を覗き込むと、田村菫が小崎颂の口にキスをしようとしているのを見た。

「やめて！」...