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第56章
葉村尚子の瞳が一段と冷たさを増した。
藤井美智子はまだ慈母を演じようとしていたが、父親は早くもその本性を露わにしていた。
彼女は今日、葉村グループの株式を取り戻せるはずがないことを承知していた。いや、正確には葉村家の厚顔無恥ぶりからして、単純に株式を要求しても返してもらえるはずがなかった。
だが、あえてこのタイミングで切り出すことで、葉村家の面々に一矢報いることもできる。
彼女は下唇を噛みながら、哀れっぽい声で言った。「お父様、後継者の地位はいりません。ですが、葉村グループの株式だけは返していただけないでしょうか?あれは母が私に残した遺産です。本来の持ち主に戻していただきたいのですが...