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第49章

葉村祐介は余裕を持って九組に戻ってきた。

石神洵子はほっと息をついた。「ちょうど探しに行こうと思ってたところよ。どこに行ってたの?」

「トイレに行ってただけだよ」

葉村祐介は教室に入り、葉村遥の隣に座った。

石神洵子は彼を見つめながら、この子のオーラがあまりにも強すぎると感じていた。時々、彼の目をまっすぐ見ることさえためらってしまうほどだ。

でも葉村祐介は礼儀正しくて素直で、話すときの声は柔らかくて優しい響きがとても心地よかった。まるであのオーラは彼女の思い込みだったかのように。

この授業の休み時間、石神洵子は田中先生に呼び出された。

五、六人の教師たちが彼女を囲み、小声で念を...