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第40章

田中弁護士は書類を閉じながら言った。

「詳細については把握しました。これからさらに調査を進め、より多くの資料を集めていきます。今日はこの辺にしておいて、進展があればまたご連絡します」

林田ククは頷いた。

「わかりました。ただ、神崎遠さんがこちらに来るとおっしゃっていたのですが、待った方がいいでしょうか?」

田中弁護士は林田ククが急いでいるのかと思い、「わざわざ待つ必要はありませんよ。私が会社に伺っても同じことですから」と答えた。

林田ククもこれ以上待つ気はなかった。彼女は弁護士に別れの挨拶をし、バッグを手に取り立ち上がった。

席を離れたところで、ちょうど向かいから来た人とぶつかっ...