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第030章

彼女が電話を切ろうとしたところで、向こうから再び男の冷たい声が聞こえた。「昼間は時間がない。夜7時に。住所を送る」

「OK!」

水原レイは短く返事をすると、余計な言葉を一切交わす気もなく、すぐに電話を切った。

石川秀樹は電話から聞こえるツーツーという音を聞きながら、これが以前自分が知っていた水原レイなのかと思った。

昔は彼が帰ると言えば、どんなに遅くても彼女は待っていた。いつも彼の側にいて、彼が一言でも話しかければ、彼女はずっと喜んでいたのに。

今や彼は毒蛇か猛獣でもあるのか？

石川秀樹は胸の内でさまざまな不快感を覚えながら、携帯を斎藤恭介に投げ渡し、病室に戻ろうとした。

背後...