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第12章

一方、控えめな豪華さを放つ黒い乗用車の中で、江口暖暖は後部座席に座り、小顔全体がむくれていた。

くそっ、クズ親父め、また彼女をいじめるなんて!

明らかに彼が先に間違ったのに、自分はちょっと罰を与えただけなのに、どんな権利があって捕まえるっていうの?

ちっ、自分が警察だとでも思ってるの!

でも今はクズ親父の手の中に落ちてしまった。叩いても勝てないし、これからどうしよう?

「何の権利で私を捕まえるの?どこに連れて行くつもり?助けて〜!誘拐よ〜!お巡りさん、早く助けて〜!」

隣にいた青木圭は木村謹から渡された濡れティッシュを受け取り、ズボンについたカレーを拭き取りながら、女の子の叫び声...