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第47章

トイレの中の光景は衝撃的だった。

裸の男女が絡み合い、スーツの上着やシャツ、女性の長いドレスが床に散乱していた。

あの奇妙な匂いはここから漂ってきていたようだ。

床には半分燃え尽きたお香が置かれていた。

佐藤三咲は完全に頭が狂いそうになっていた。桐山玄治は恍惚とした表情で、彼女がドア口に立っているのを見ていたはずなのに、目には彼女の姿が映っていなかった。まるでこの瞬間、彼の目に映るのは腕の中の女性だけであるかのように。

皆、目を見開いて見つめていた。

手で目を覆いながら指の隙間から覗き見る者もいれば、堂々と見ている者もいた。

佐藤三咲は悲鳴を上げ、駆け込んで二人を引き離そう...