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第36章

星野お爺さんは地面に座ったまま、まだ少し茫然としていた。徐々に我に返ると、複雑な眼差しを星野星に向けた。

「どうやってできたんだ?」

「平原先生から少し教わっただけです」星野星は淡々と答えた。

「私を救ってくれた、感謝している」星野お爺さんは星野当主の手を借りて立ち上がった。「だが、お前があの薬を持ってきてお前の祖母を害したのも、紛れもない事実だ」

「薬は私のものではありません」

「どういうことだ?」

星野星は手を伸ばし、ボディガードが持っている薬の箱を見た。

相手は少し躊躇ったが、本来なら星野星の言うことを聞くべきではないのに、彼女に見つめられると、不思議と彼女に渡してしまっ...