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第35章

「章子に薬を渡したのか?」星野お爺さんはこのことを全く知らず、突然立ち上がり、杖を床に強く打ちつけた。「はっきり言え、おまえは章子にどんな薬を渡したんだ?どこから手に入れた?」

星野星は慌てる様子もなく、「ご安心を、薬が原因ではありません」

その薬は二年前から市場に出回っており、使用者からのフィードバックも常に良好だった。だからこそH2345シリーズが続いて開発されたのだ。

「でもおばあさまはずっと元気だったわ。寿宴の前に、おばあさまが薬を飲んだのを見たけど、しばらくしたらめまいがすると言って、部屋に戻る途中で倒れてしまったの」

星野美咲の声は柔らかく響いた。

しかしその情報量は少...