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第36章 若野唯骨折

篠原心海は薄田蒼との離婚が間近に迫っていることを考えると、薄田理子からのカードを受け取る勇気が出なかった。薄田理子は急いで篠原心海の手を引き寄せ、強引にカードを握らせながら言った。

「大した金額じゃないわよ、ほんの小遣い程度。お母さんが息子の嫁に渡す小遣いも断るの?どうしたの?もうお母さんのお金を使いたくないの?これじゃあ、将来お母さんが年老いたら、お金をくれなくなるんじゃないかしら?」

篠原心海は薄田理子がここまで言い切ったのを見て、仕方なくカードを財布にしまった。そうしてようやく薄田理子の見守る中、何度も振り返りながら本家を後にした。

実は彼女は本当に本家に戻って薄田理子と食事をし...